「 あの、これ。」
私は佐伯さんに千羽鶴を渡す。
「 間に合わなかったけど…
みんなで折りました。 」
鶴を見て、佐伯さんは泣き出した。
「 あの子は…いい友達を持ったわね。
夢さん、本当にありがとう。
あの子のそばにいてくれて、ありがとう。あなたの話をするいちかは…とても楽しそうだったわ… 」
1番寂しいのは、きっと私じゃない。
最愛の娘を失った、佐伯さんだ。
佐伯さんの、全ての悲しみを理解できるわけないけど、でも、少しわかる。
何よりも悲しいよね。
何よりも辛いよね。
佐伯さんも、大変だったよね。