「先生、いちかは? 」
「ゆ、夢ちゃん。
いちかちゃんは…亡くなったの。 」
亡くなる??
「 先生、嘘つかないでよ。
そんなわけないじゃん。
いちか、一昨日まで笑ってたよ。
苦しそうだったけど、笑顔だったよ 」
誰も何も言わない。
私は、やっと実感した。
いちかは、もう…天国に行った。
涙が溢れる。
「 1時40分くらいから、血圧が急低下して、薬も…全く効果なくて…。
4時半くらいから、心肺停止状態で…何度も蘇生しては停止して…の繰り返しだったの。
きっと、夢ちゃんを見て安心したんだろうね。」
ごめんね、いちか。
5時を過ぎたから、逝っちゃったの?
1時40分…私が夢を見ていた時間。
私があのとき、いちかを止めていれば…。
もっと、手に力を入れて離さなければ…
いちかは生きていたのかも知れない。