「 だめっ! 」
私が起き上がると、そこには仁がいた。
夢、か。
夢でほっとした。
もし、このままいちかが川に進んでたら…。
考えるだけでぞっとして寒気がする。
「 大丈夫か? 」
仁は私の頭を撫でる。
「うん…。
鶴、できた? 」
「…今、2時。
あと3時間後に持ってく予定。
なのに、まだ300羽しかできてねぇよ。
なぁ、無理なんじゃねぇか?」
不可能だって…とっくの昔に分かってる。
でも…どうすればいいの?
そんなとき、いちかの病室に置いてあった手帳を思い出す。
私は車椅子に乗ると、いちかの病室まで急ぐ。