「 ずっと前から…何かの感染症にかかってたみたいで…私も今日聞いたばかりですが…。まぁ、それ自体はあまり感染しないものなんですが…。」
感染症!?
それって…やばいんじゃ。
私に…うつってないよねぇ?
不安になる私を仁が諌めた。
「大丈夫だって。
夢、きっと丈夫だよ。
それに、俺ずっと夢のそばにいたけど、何も変わったことなかったし…
な? 」
「 そうだね!」私は頷くと、もっと話を聞いた。
「 あ、あの…そういえば他のご家族は? 」
ちょっと失礼な質問かもしれない…けど、そんなこと気にしてる暇はない。
「 私、ひとりです。」
「 いちかのお父さんは?… 」
「 いちかの父は…、他に家庭がある人で…会うのが許されない人です。」
なんでこんなこと聞いたんだろう。
後悔してしまった。
でも、私と一緒。
私も、小さいとき
お父さんに会えなかったんだ。
「 余計なこと聞いてすいません。
話、続けてください。 」
「はい。
けど、今日の朝から熱が40度近くまであって…。 脈拍数もいつもよりおかしいくらいに増えてて…検査をしてもらうと…敗血症でした。」