「あのさ…。 」
急に下を向き話す彼に私は”寂しさ”を感じた。
「うん。 」
「 俺、家が嫌い。」
「え? 」
「 家が嫌いだ。」
低い声で呟いた彼の目は険しそうな目をしていた。
「 俺の父さんは、すごい怖い人なんだ。夢、会ったことないだろ?」
「 ないよ。」
彼の家に、一回も挨拶してないな。
した方がいいよね。
もう4ヶ月付き合ってるし…
「 母さんは、おっとりしてて些細なことで傷つく人でさ。俺が小さいころから、母さんと父さんの喧嘩は絶えることがなかった。」
「 …。」
私、何も声かけてあげられない。
私は、彼女失格なのかな。
「ゆーめ!
そんな、しんみりすんなって! 」
「 うん…ごめんね?
何も優しい言葉掛けてあげられてなくて」
「 大丈夫だって。
俺は夢に聞いてもらえるだけで楽になれるんだから。 」