すぐ近くにいる仁。
仁は私を抱きしめた。
車椅子を包み込むように。
温かい、この温もり。
大人ぶったコーヒーの匂い。
黒髪。
「 夢、おかえり。
俺を選んでくれてありがと。」
「仁、ただいま。
誰よりも仁がすきだよ。 」
もう一回強く抱きしめた。
顔をゆっくり離す。
「 ねぇ、夢。俺言いたいことがあるんだけど。」
「 奇遇だね。私もあるよ。 」
涙が乾いた仁のほおを撫でた。
「じゃあ、”いっせいのーで”で言おうな。 」
「 うん。 」
「「 ダイスキ」 」
嬉しさと仁への愛しさが込み上げる。
何度言っても言い足りない。
仁がスキ。