その頃には吐き気はすっかり収まっていた。

私は、車椅子から、ぞうきんやティッシュで吐いた物を片付けた。


じゅんに車椅子に乗せてもらい、私は仁の元にゆっくり進めた。



なんで忘れたの?

私の大事な人。


なんで記憶から消えちゃったの?





私のそばにいてほしい。





どんなときも、ずっと。ずっと。






頭の片隅のどんな小さな場所でもいいから、私から仁を離さないでほしい。








もう、彼以外じゃダメ。




彼の代用品はこの世に存在しない。




世界にたった1人だけの彼を
私は愛してる。




頭の中に焼きついてる仁の笑顔。




仁、やっと会えたね…