トイレから帰ってきたじゅんをみつめた。
泣いたのかな。
二重の目は一重になってた。
「あのさぁ…じゅん! 」
彼はすぐさまニヤリと笑った。
いつ見ても、笑うのが下手なんだよね。
「 ん?なんだ、ゆめ。」
「私、じゅんに話しある!! 」
そのとき、喉を通って胃の中のものが出てきそうな感覚に襲われた。
何かでてきそう。
キモチワルイ
吐き気がする。
「 う…うぇ…おぇ…げほげほ…おぇぇ」
床には私が吐いたものが散らかる。
汚い。
ごめんなさい。
「夢!大丈夫か? 」
仁が私の背中を撫でた。
「 鮎川、袋持ってねぇか? 」
仁くんは、慌てずにしっかり対処してる。
「ほらよ 」
そう言って、丸まった白いスーパー袋を投げた。
「ありがとよ 」
その袋をほどき、私に持たせた。
「 俺、看護師さん呼んでくるな。」
仁くんが走ろうとしてる。
仁くん!
待って!
行かないで。
やめて。やだ。
仁くん。ねえ仁くん。
頭の中で叫ぶが、もちろん仁くんには聞こえない。
意識が遠のいて行く。