私はそのことを奈津子先生と母さんに言った。
「 夢…!」
母さんはそっと私を抱きしめた。
なんで私、抱きしめられているの…?
奈津子先生も、切なそうな顔で私を見つめた。
「 母さん…!
あの人は誰なの…?教えて。」
なかなか教えてくれない母さんに、イライラがこみ上げる。
「夢の…大好きだった人よ…?
赤坂仁くん。夢と三年間付き合ってたのよ。覚えてない…? 」
私と、付き合ってた…?
目を閉じて考えた。
私の瞳の裏には、あの人の泣きそうな顔が焼き付いている。
悲しそうな顔…。
その原因は、わたしだったんだ…。