目覚めた私は奈津子先生と母さんと話し合ってた。
奈津子先生は、またあの分厚い資料を持ってきていた。
そして、
私は驚くべきことを告げられた。
…私、もう歩けないんだって。
筋肉弱ってきて、手を上げたり、立ったりするのも一苦労らしい。
嘘みたいだよ。
少し前まで、走れてたんだよ。
それなのに…。
「夢ちゃんは頑張った方よ。
普通の人はね、寛解導入方療法のときに、もう歩けなくなっちゃうから。 」
そんな奈津子先生の励ましの声も、私の心には響かないんだ…。
「 他に聞きたいことはあるかしら? 」
「 な……あ!」
ないです、と言おうとした私が思い出したのは黒髪の青年。
あの人は一体誰だったの…?
あの、優しくて温かい手。
忘れないよぉ…。