「っ…! 仁くん…。やめて、立って。…?泣かないで。頭を上げて…?
大丈夫。私は夢の母親よ…?何があっても、夢を大切にするわ。夢のこと、ずっと愛すから…。
仁くん…いま、夢はいないけど…仁くんのこと、まだ好きだと思うわ…?
これ、見てちょうだい。」
夢のお母さんの持つものは、小さなアルバムみたいなもの。
中を開くと…
俺とのプリクラや、俺との写真がたくさんある。ところどころに、
「 仁ダイスキ。 」
って書いてあるんだ。
俺も…夢のことスキだぞ…?
出会った時の”スキ”より
今の”スキ”の大きさは遥かに大きいと思う。
それは、俺の涙とこの空のように違う。
夢の笑顔がスキだ。
夢の頬を優しくなでる。
抗がん剤の影響で、肌は荒れていた。
こんなに我慢してたんだな…。
強いな、夢は。
強い夢もダイスキだ。