「…ごめんなさいね、仁くん。 」
夢のお母さんは、俺に作り笑顔を見せた。
俺、どんな顔すればいいんだ…?
「 仁くん、帰っていいわよ…?もう夜よ。仁くんのお母さん心配しないかしら?」
俺のこと、心配してくれてる…?
俺、夢のお母さんにまで
迷惑かけたのか?
「大丈夫です!
夢が目を覚ますまで、俺、夢のそばにいます。 」
そう言うのが…やっとで。
後悔だけが、心に積もってゆく。
季節はずれの雪のように。
「 うぅ…っ…。
夢は、いい彼氏を持ったわね……」
泣いて、夢のお母さんは目が充血してた。
夢のお母さんは、俺と夢が別れたことを知らないのだろうか…?
「 あの…俺、夢と別れたんですよ。 」
「 ええっ… 」
夢のお母さんはすごく驚いて、俺の元に近寄ってくる。
「 失礼だけど…どうして別れたの?
夢が…病気だから…?」
そんな軽い感じで別れられたら
俺は良かったのかな…?