「 ごめんな」
俺の涙が、夢の頬に落ちる──
「ゆめっ… 」
夢は、酸素マスクを付けて眠っていた。
夢は足の筋肉が抗がん剤で弱ってしまって、もう当分歩けないらしい。
足だけじゃなくて、体全体が弱ってて
少し、バランスを崩しただけで、
夢は背中を打った。
その衝撃で、夢は意識をなくし
眠っていて、
さらに呼吸機能が低下している夢は
酸素マスクをつけたんだ。
痛かったんだろうな…
苦しかったんだろうな…
無理に聞いてごめん。
俺、夢のこと好きなのに
苦しめてばっかりじゃねーか…
夢のお母さんが、泣いている隣で
俺は、夢の額の汗を拭うことしかできなかった。