今なら、心の中にある大きな鉛みたいな物を吐き出せる気がした。



「なる…なる…。私…死にたくないよぉ…… もっと…生きたい。ずっと仁を見ていたい。
いつか…死んじゃうのかなぁ?
私のこと…みんな…忘れちゃうのかな…。嫌!…いやだよぉ…
もう少しで死んじゃうのかな…怖い…こわいっ。死ぬのが、たまらなく怖いよ…。」




前を向くって簡単に言うけど、そうそうできることじゃないと思う。




泣き虫で、小心者で、でも困ってる人を放っておけないのが私の性格だってよく言われる


自分ではわからないんだけどね。






何かあったら泣いてた私には、泣かないなんて難しいよ…。



でも、私は逃げない。




泣かないって難しいかもしれないけど、弱音を吐かないことはできると思う。



治療から逃げない。



もう、絶対死なないって決めた。





なるのは、私の肩を抱いた。





なるの手は震えていた。



なるにまで心配かけてるなんて、すごい情けないな…。



いろんな思いが重なって、涙は止まらなかった。