「 がんばれ!!」
おじさんに聞こえてるわけないのに、私はおじさんに言った。
風が心地よい感じに吹いた。
遠くに見えるのは、
風に吹かれて揺れる雑木林。
奥にはコバルトブルーの海。
もうあとはまっすぐ平らな道を進むだけ。
進んだら、
そこは私の大好きな南高校。
家からの道のりが遠く感じたのは、きっと、運動能力が落ちたんだね…。
あの日から、
少し私も変わったかな…?
強くなったかなあ?
もう、仁は助けてくれない。
もう、なるは頼れない。
考えると不安。
でも、負けない。
この大きな不安に、負けない。
私は南高校への校門を笑顔でくぐった。