私は先生の娘さんに似ているらしい。
涙の止まらない私の背中をさすって、くれた。
私のお父さんは…アメリカにいる。
もう3年が経った。
顔は少しだけ覚えてるよ。
茶色の髪に、優しい瞳。
口は薄い紅色で、いつも笑顔なの。
花瓶を落としても、怒らなくて
「ゆめ。大丈夫? 」っていつも優しく聞いてくれた。
自分の損得は後回しで、人のことをいつも思ってくれて…。
母さんが遥を妊娠したとき、
いつも気を遣ってて
毎日、母さんのお腹に話かけていた。
自慢のお父さん。
母さんは、母さんだけど。
お父さんはお父さん。
そんなお父さんに、似てるんだ。
鮫斑先生が。
「 先生って…お父さんみたい。」
そう言うと先生はニヤリと笑った。