「この写真が原因なんだあ 」

私はわざとらしくあの写真を見せた。

なるは同情して見ている。

「 この下の女って…なるだよね?」


戸惑いの気持ちもあった。

だけど、なるを睨みつける。



「 そうだよ…ごめん。
えっとね…仁が無理やり押し倒してきてね。」

なるは泣だした。



嘘泣き上手だなあ。



仁はそんな男じゃない。


信じられないことはあったけど、無理やりするなんてこと、有り得ない。




「 嘘つかなくていいよ。
仁はそんな男じゃないことは、なるが一番知ってるでしょ?
この写真、なるが撮ったんでしょ!」




すると、なるは声高々に笑いだした


「 そうよ!あたしの策略で仁が引っ掛かったの。私が写真を撮ったの。タイマーでね。」


初めて、なるの裏の顔を見た。



「 …なんで?」




「 仁のこと、好きだから。 」




初めて本音が聞けた。


やっぱりなるは仁が好きだったんだね



言ってくれれば、私はどれだけ楽になれたのだろう。



「 中1の時から、ずっと好きで告白して、冗談でも付き合えたの嬉しかった。
でも、夢…夢が来たら夢のこと好きになっちゃって…別れて、すごい辛かった。だから、仁を返して。仁を返しなさい‼︎」


なるは泣き出してしまった。



声は荒れてた。




なるの可愛い声が。