あの写真は!

鳴海との事故写真。

あの時のシャッター音は気のせいではなかったんだな。


「これは…一体どういうこと? 」


「 あ…これはな。
鳴海がこけて、俺が助けようとしたら、ちょっとな…失敗してさあ…!」

「 本当に?」


鳴海は涙を拭きながら確かめるように俺の顔を見つめた。


「 本当だよ。信じられない?」


夢を見つめると、夢はもう一回涙を流した。



「信じられないよ…ごめんね。仁。
だって…仁となる、仲いいじゃん。二人、昔付き合ってたでしょ?
もしかしたらまだなるは好きなんじゃないか…って思っちゃう。
幼馴染だし、私の知らない仁を知ってることも羨ましくてしょうがなかった。 なるは好きだけ…仁に近づかないでって思っちゃう私がいて…もぉ嫌なの。
全部嫌…ごめんね、こんな最低な彼女で。仁…ごめんね。」



夢…ごめんな。

俺、鳴海と近づきすぎたかもな。


彼女いるのに…他の女と彼女のところ行くって…最低じゃん、俺 。



最低なのは、夢じゃない。

……俺の心の中だ。



「 俺こそごめん。
鮎川に近づくな、とか言ってるくせに、鳴海と近づいてさ…でも、あの写真は事故だから、誰が撮ったかもしらねーし。怖いな…」



「 うん、そうだね。」

夢はちょっとだけはにかむ。




一件落着…これでいいのか?



「 それでも、仁。別れよう。」







まだ、終わってなかった。