「 なんでだ?」

「 看病とか…大変でしょ?

仁には…未来がある。頭いいし、運動神経いい仁には…。でも、私には未来が在るか分からない…もしかしたら、消えてしまうかもしれない。だから、私のせいで、仁の可能性を消したくない。」

言ってる意味が分からない


「どういうことだ? 」


「仁のお母さんから電話で聞いたの。 私の看病で…予備校をサボっこと知ってるよ…それで、仁のお父さんに殴られていたことも…でも…仁は何も言ってくれなかった」



夢は静かに泣いていた。




「 それは、俺が決めたことぞ。
夢には関係ないだろ…?だから、気にしてないで。」


「 関係…ないの?私、仁の彼女なのに。仁のことも分かってあげられないの?仁のこと、こんなに好きで…愛してたのに…? 」



「 ごめん…言わなかった俺が悪いな。
心配かけたくなかったんだ…夢のこと本当に好きで…迷惑かけたくなかった。
……だから、別れたくない。 」




夢は泣いていたのに…。


俺は、いつも夢を支えていたのに。

こんな時こそ、涙を拭えない俺は、彼氏失格だな。



「 これは…本当に出したくなかった。でも、仕方ないよね?」


なんだ?


次は何が出てくるんだ?



夢は携帯から、写真をUPにして見せた。


あの時の…。






鳴海との事故写真を。