真夏side


「真夏ちゃん!これよろしく!」




「はいっ!」




あたしは今、県大会へと向けて瞬一先輩と涼助先輩と一緒に学校のプールにいる。





「じゃぁまず涼助先輩からで!位置について…よーい…」




ピッ



あたしはストップウォッチを片手に涼助先輩から受け取った笛を吹いた。




水に入ってからのスタート。



涼助先輩が勢い良く泳ぎだす。




海に行った日から気まずくなることもなく、いつも通りに接してくれる涼助先輩。





涼助先輩は林さんとうまくいってほしい。



最近そう思うようになった。






涼助先輩が100m泳ぎ終わったと同時にストップウォッチを押す。





タイムが数秒縮んだ。





この数秒が、結果に影響する。