顔をあげようしたけどあげれなかった。
多分手があたしの頭に触れている。
この手は瞬一先輩?
「顔あげるな。まだそのままでいろ…」
瞬一先輩が…優しい。
瞬一先輩はあたしが泣き止むまでずっと頭を撫でてくれていた。
瞬一先輩…ありがとうございます…
「そろそろ戻るぞ。閉会式だ」
結局あたし達の高校は総合で4位だった。
「真夏ちゃん大丈夫?」
涼助先輩!
「さ、帰ろうか」
「はいっ!」
大会を終えて会場を出る。
さっきの瞬一先輩…
合宿の時と同じ優しい雰囲気があった。
瞬一先輩が貸してくれたタオルはバッグの中にある。
優しい雰囲気の瞬一先輩…
夢じゃなかったんだ。
そう実感する。