「まだあるから大丈夫!あと十数本だけど…」




十数本。



「いえ!このくらいがちょうど良いと思います!」




あたしは1本だけ持った。

そしてロウソクに火をつける。





「真夏ちゃん片手だけでいいの?」





「はい!なんだか一本でもキレイですし…それに…」




「それに…?」





それに…





涼助先輩ともっと一緒にいたいから。




少しでも長く、この隣という位置にいたいから。


せめて十数本の花火が終わるまで、このままでいさせてください…