「翔君は部屋で休んでるよ。今日疲れたみたい…本当は散歩に翔も誘ったんだけど、部屋で休んでますって言ってた」




翔…大丈夫かな?

普段サッカー部だから水泳なんて久しぶりで、あたしなんかよりずっと疲れてると思う。




「瞬一は後で来るよ。今頃着いたかな?…じゃぁここにロウソク置くから、ここで火つけてね」




涼助先輩は、ロウソクに火を灯した。




海から少し離れたこの丘。



少しだけの風が炎をゆらす。





涼助先輩の顔がほんのり見えた。






「じゃぁ真夏ちゃん、両手に花火持って!」





「えっ!」





「なんか花火似合いそうだから。俺も両手に持とうかな」




涼助先輩が両手に花火を持って火をつけた。