「大丈夫だよ、おいで、桜……」

 優しくされる資格なんかないのに。

 包まれた腕の中は温かく、張り詰めていたモノが切れた。

「うっ……ヒック……ヒック……」

 堪えても抑えきれない想いが嗚咽になる。

 優作は微笑みながら、頭を撫で続ける。

「大丈夫だよ……」を繰り返して……。