力なく笑って、電話は切れた。

 だらりと携帯を持つ手が落ちる。

 段々視界が曇り、水の中に居るようだった。

 瞬きをすると、温かい雫が頬を伝わる。

 唇を痛いほど噛み締め声を殺した。

 本当は今すぐ裸足のままで、この部屋を飛び出して行きたい。

 今すぐ翔吾に逢いたい……逢いたいよ……。

 気持ちは大きく揺さぶられる。