「ごめん、嬉しくって言葉になんないや、俺はどう?がっかりした?」

 首を横に振るだけが精一杯だった。



「あっ、俺行かないと!後で連絡して!」

 そう言うと、残り香に包まれたままのあたしを置いて走っていった。

 今バーチャルな翔吾はリアルな世界の住人になった。