「桜」


 突然呼ばれる名前。

「えっ!」

 振り向くと翔吾が居た。

 腕をつかまれ、人がやっと二人は入れる路地に引き込まれた。

「やっ、何っ!」

 驚く隙を与えないように抱き締められた。