「あっ……」

「今日は何だか飲みすぎだね」

 抱きとめられた腕の中、パニックをおこしそうだった。

 冷静さを装って優作の腕をすり抜けドアに向かった。

 早く家に帰らないとおかしくなりそうだった。

 足早に店を後にして、少し歩いた所でしゃがみこんだ。

 震える身体を抱き締める。

 今、起きていた事が理解できない。

 どういう事なの……。


 本当に、翔吾なの……。


 今すぐ電話をすれば確認できる事は承知していた。


 でも、もし本当にそうだったら、あたしはこれからどうしたらいいの……。