「んじゃ、コレ飲んでからにしなよ。あのさ、今夜行ってもいいかな……朝になるかもしれないけど」

「えっ?」

「桜最近……俺の事避けてる?」

 おどけた口調だったけど、目が笑ってなかった。


「うん、いいよ……帰りに来てね」

 嘘をついて逃げていた時間は、もう限界のようだった。

 グラスの残りを一気に飲み干し席を立つ。

 足が少しフラついた。