「ふぅ……」

 思わず大きな溜息が出ていた。

「どうした?初対面の相手だから緊張した?ごめんな、無理に付き合わせて」

 あたしの顔を覗き込んでいる。

「ううん、大丈夫だよ。あっ、あたしも帰るよ。今夜は男同士で盛り上がってねっ!」

「そうか、悪いね。こっちから呼び出したのに」

「いいの!いいの!」

 本当は一刻も早くこの場を去りたかった。翔吾が戻ってくる前に……。