お互いの声を聞いた事で、一気に想いが加速する。

 相手を知らないという安心感からか、素直に何でも話が出来た。

 翔吾が放つ根拠のない『大丈夫だよ……』


 そんな言葉に本気で気持ちが溶かされていた。

 安易だと言われても仕方ない。

 あたしは、恋をしている。

 今、翔吾に触れられるのは柔らかい声だけ、今ならどんなに大勢の中でも聞き分けられる。