震える指でチャイムを押した。

「何処行ってたんだ、桜……」

 あたしの顔を見て、そう言った優作の顔は少し疲れていた。

「ごめんなさい」

「いいから入って。ホラ、こんなに冷たくなってるじゃないか」

 優作の手が頬を包んだ。

 見慣れた部屋、いつもの場所に座る。