でも身体は鎖で縛られたように、動かない。

 腕を一本もがれたように、一つの決断が下された。

 それは自らではなく、翔吾が仕向けた決断。

 最後に見せた翔吾の優しさ……。

 バーチャルな世界から来た翔吾は、また、バーチャルに戻る。

 一つの恋は……消えた……。

 でも今のあたしは、認識すらできない状態だった。