「久しぶりだな……」

視線を合わせないまま、翔吾はそう言った。

「うん……」

 
「桜、顔色悪いな……」

 頬に伸ばされた手。

 クッと唇を噛んでその手を払った。

 翔吾の行き場のない掌は、拳になり静かに戻された。