翔吾の痛いほどの思いを感じ、不謹慎だと知りながら、あたしは幸せだった。

 胸元に手を伸ばし服の上から掴む。ココに翔吾はいる。

 激しくぶつかってくる翔吾を受け止めてしまうことは、同時に優作を裏切る事になる。

 写真立ての中で微笑んでいる二人の写真が哀しかった。

 それでも翔吾を求め、走り出してるのはあたしも同じだ。