電話を切ってからずっと落ち着かない。 勢いで言ってしまった言葉。
 
 あたしから逢いたいなんて言ってはいけなかったのではないか。


 低い雲はやはり泣き出し、お昼を過ぎた頃には小雨が舞う。

 翔吾も見ているだろうか。

 やっぱり、――雨は嫌い――じゃない。そんな言葉に翔吾を想う。