『声を聞きたいって、思われた事に、自惚れていいか?』

「あはは、いいよ」

『何か、ベッドの中で、お前の声聞けて幸せだぁ』

 翔吾はおどけて、そう言った。

 カチッとジッポの開く音がして、煙草に火を点けたようだった。

 見えない分、音に敏感になり、側にいるような感覚になるのはこの薄暗い空間のせいだろう……。