いったん電話を切って、数分後にアルファさんから折り返しがきた。


『街中に新しくできたカフェに居るみたいですよー?』

「かふぇー?」


何故にそんなところに居るんだいカイトさん!?

あたしはアルファさんにお礼を言ってから、携帯だけを持って家を飛び出した。










【Andant】


そう書かれたカフェは、実に綺麗だった。

クラシックな雰囲気漂う、ちょっとオトナなカフェだ。


「コーヒーにミルクは邪道とか言われそうなとこですな…」


カフェを見つめ独り言を呟くあたしは、ハタから見たら一体どんだけ滑稽だっただろう…。


ヤベッ…

想像したら目から汗が…(涙)。


って、んなことやってる場合じゃない!!


あたしは意を決し、木造の重たい扉をゆっくりと開けた。


ガランッ


頭上で鐘が鳴り響く。

見上げると、黄金みたいな大きめの鐘が扉に吊り下げられていた。


こっこれじゃあ客が来たってわかっちまうジャマイカ!!!!


いや客じゃないけども!!

客っぽいけど実は違うんだけども!!


なんて考えていたら、








「いらっしゃいませ」







声を掛けられてしまった…orz