「バイトだぁ〜?」
あからさまに“からかってんのか貴様”って雰囲気で、真中先生は片眉を持ち上げた。
あたしは思い切り頷く。
「社会に貢献しようと思いまして!」
「ほほぉ…。榊も成長したのなぁ」
「うむ!なので、バイトってどうやって探したらいいんすか!?」
真中氏は髪の毛を耳にかけてから、腕組みをして考える様子を見せる。
「んー…本屋とかに求人情報誌があるんじゃないか?」
「…自信なさげですなー」
「いや…まあ…」
「…まさか真中氏、バイトしたことないんすか!?」
「…………。」
苦笑しつつ目を逸らす真中氏。
………………………。
「えっ図星!!!?」
「う゛…」
意外な真中氏の素顔を知ってしまった!
「真中先生ってお金持ちなんすねー…ぷくくっ…日頃偉そうにしてる真中氏の言葉が薄っぺらく聞こえるにゃ……」
「やかましいわっ!!!!」
持っていた生徒名簿で頭をはたかれたあたしは、そこを擦りながら膨れる。
「うぅ…毎回毎回、手厳しいっすね……」
「余計なことを言うからだ!バイトなんぞ自分で探しやがれ!!」
真中氏、怒り最高潮。