無事、お参りを済ませたあたしたちは、神社からの帰り道を4人並んで歩いていた。


「あー楽しかった!マジで!」

「久しぶりにあんな走ったわね」

「青春ですねわかりますww」

「そろそろ普通の喋り方できない?」


そんな会話をしながら、暗い夜道を歩く。

歩幅は、みんな一緒。

きっと、考えていることも一緒。


「…去年は、いろいろあったわね」


みんなの考えを口にしたのは花梨で。

あたしたちは、同時に頷いていた。


カイトが来て、瑞希と出会って、双子とトラブルがあって、失恋もあって、葵と和解して、家族が増えて。


そして、こうやって笑い合えて。


いろいろあったけど、一歩進めた年になった。


「…でも、こうやって4人で居られるのも、“今年”で終わりじゃん?」


瑞希が寂しそうに呟く。

そうだ。

あたしたちは、今年で三年生。

すぐに、卒業して、みんなバラバラになるんだ。


「…だったら、その分楽しめばいいのよ。今年を」


花梨が当たり前のように言う。

さすが花梨。

その通りだった。