冬休みって言うのは早い。

二週間程度しかない休みは、あっという間に過ぎて行く。

そろそろ今年最後の一日へと日付が変わろうとしているのに、あたしは宿題そっちのけで……


……ゲーム三昧じゃぁああッッ!!!!


「カイト!シューティングゲームやろう!!」

「……俺、眠いんだけど」

「えー!コンピューターと対戦するのヤダよ面白くないもん!」

「…知るかよ…」

「じゃ、RPGやろう!!」

「いや同じだから」


ノリの悪いカイトにぶうたれつつ、あたしはとりあえずテレビの電源を入れ、ゲーム機をセットする。

けど、やるゲームを決めないと始められないので。


「カイトォ!!どれするのだよ!!」

「だから俺寝るって」

「ダメだってばあたしヒマんなるもん!!今年も明日で終わるんだから今年をもっと楽しむのだよ!!」

「…説得力があんのかねェのかわかんないから」

「カイトォオッッ!!!!」


「何やら楽しそうだね」


ノックの音がしたと思ったら、葵が笑いながらドアを開けた。

どうやら、あたしの大声は廊下まで筒抜けだったらしい。


「あー!兄貴よ!ゲームしないっすか!?」

「ゲーム?」

「うむ!」

「別に構わないけど。僕はゲームあんまりしないから、わからないかもしれないよ?」

「全っ然オーケーなのだよ!」