「ちょっとあんたどうしたのよ」


教室に入るや否や、机にバタンキューしたあたしに、花梨が近寄ってきた。


「あぁ〜花梨〜…」

「何よゾンビみたいに」

「寝不足なんだよぉ〜…」

「またネトゲ?いつもじゃないのあんた」

「ちょっ…労りの言葉はないんすか…」

「あんた労ったら世の中終わりよ」

「ぐっ…」


花梨さん、毎度のことながら手厳しい。

黙り込んだあたしは、そのまま机にへばる。

花梨はあたしの前の席に腰を下ろし、背もたれに肘を置いた。


「ネトゲってそんな面白いわけ?」

「いやぁ…花梨さん…今回のはネトゲじゃないんだよ…」

「ふぅん。じゃあネトゲ以外の寝不足理由を聞いて差し上げましょう」

「おぉ…!聞いてくれるのかい我が友よ…!!」

「大袈裟だなリアクションが。ウザイから」


抱きつこうと手を伸ばしたらデコを押された。

あたしはシュンと項垂れる。


「花梨は大事な友達なのだよ…オーバーじゃないもん…」

「なっ何よあんた!気色悪いわね!」


膨れっ面で呟いたら、花梨は焦ったみたいにそっぽを向く。

…うまうま♪


「ぷくくっ…」

「何笑ってんのよ」