「ギャ――ッ!!」


嘘だ!!

ありえない!!

ここで…こんなとこで…ッ!!


「うっさいわ榊(さかき)――ッ!!」

「あぶぁッ!?」


叫んだ途端に脳天をブッ叩かれたあたしは、机にデコをぶつけた。

舌も噛んじまった。


「ちょっ何すんすか先生ー!!あたし大惨事っすよー!!」


勢いよく顔を上げたら、にっこり笑顔の真中(まなか)先生が拳を握り締めて立っていた。


「今は授業中ですよ榊さーん。それともワタシを怒らせたいのかなー?んー?」


長い髪の毛を後ろで束ねた、結構綺麗な女性教師真中。

…見た目に似合わずグーで殴るとはぁあッ!!

殴られた脳天を両手で押さえていたら、机の中に即座に隠したPSPを抜き取られた。


「あ゛ぁ!!それはダメっす今モンスターをハンターしてるとこなんすよー!!」

「某有名PSPゲームのことかな?」

「話わかるんすか!?じゃあ今どんだけ頑張ってるかもわかるっすよね!?」

「わからんこともないけど没収ー」

「にゃに!?」


必死の訴えにも関わらず、真中氏、PSPを教壇へ。

…オワッタ…あたしのハンター人生ここで幕下りた。

チーンと机に突っ伏していると、後ろからバカにしたような笑い声が聞こえてきた。