「今日もすごくかっこよかったです!!」

応援してます、と言って上擦った黄色い声は震える手に持つ可愛いくラッピングされた何かを差し出した。


「ありがとう」


ニコリと笑って、素敵スマイルでそれを受け取る偽王子。さっきまでのあんたはどこに消えた。パァとその女生徒の頬が一瞬で色付いて、恥ずかしそうに目を伏せる。ピンク色の光景が今、あたしを透明にさせて繰り広げられている。

あたしの視線に気付いたのか女生徒は、誰あんた?的な目線をチラリと送ってきた。

「あ、壁、もしくは空気ですからお気になさらず」

その言葉に、女生徒は軽く頷く。納得したようだ。多分、この綺麗な男と完璧な地味子なあたしが並ぶ光景は違和感たっぷりなんだろう。まあそれ以前にあたしの存在感なんて恐ろしく薄いですけどね。