彼女達は背中を向けているから気付いてない。灰原がもの凄く不機嫌そうな顔をしているのを。
ここであたしが取れる行動はひとつしかない。


「お断りします。」


ああ、現実逃避したい。


「は?」


名前も知らないレディ達は表情をなくしてただ驚いている。灰原さえ、ポカンとしている。そんなに意外だったのか。

「灰原千景が断わるなら、私も賛成する理由はありません」


本当は面倒くさい事は嫌いなんですよ。


「なっ、」


引きつる顔、明らかに怒っている彼女達。


「二人で花見をしていますので邪魔しないでもらえますか」


しかしな、このままじゃ魔王が目を覚ましそうでその方が百倍厄介だと思うんです。