嫌です。無理です。と抗える時間もなく、そして返事を与える余裕さえ与えず、灰原千景はそれだけ言うとさっさと図書室を出ていった。ふざけんな。
結論、無視してしまえばいい。
それは即あたしの思考を揺るぎない一本にしたのに、数秒後には失われる。何故なら大事な事を思い出したから。
『君の平穏は永久に訪れない』
それは呪いの言葉のように。
あたしの平穏、それは、目立たず、地味に、静かな図書室、愛すべきありきたりな日常。
『君の平穏は永久に訪れない』
あの悪魔は簡単にそれを壊すことが、出来るのだと。
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