「それとも実践する?君俺のタイプだし」

最後の言葉はとりあえず聞こえなかった、というか始めの疑問文も聞こえなかったという方向で、つまり無視決定。


「…面白いよね、ほんと、」


悪魔はそう言って魅力的に微笑んだ。放課後の図書室は静かで、独特の匂いがあたしは何だか好きで、変わり映えのしない本棚の列は当たり前なのに、やけにこの男は独特のオーラを纏って、不似合いな場所でも自然に馴染んでしまう。


「…何者ですか。悪魔ですか」

「人間だけど」