出発の日…、五十人乗りの戦船が二船が海に浮かび、新天地への渡を待っている。

未知なる浮上したあの島へは不安が膨らむが、大切なものが眠るこの土地を守るためにも、生きた証を遺すためにも行かねばならない。





船の出航とともに大陸に別れを送る。隊士達は皆、敬礼をして見送りや家族に旅立ちを告げた。先にマクス・リウェバの乗る船が行き、後に続く。

戦船とはいえ帆船で速度は風による。左右に微調整しながら風を操っているかのように進む。突発的な強風は予測できないため、時たまに帆が破ける事はあるが、補修しながらも五日で水平線に未知なる島が姿を現した。



「あれが…、異種の元凶大陸か」

マクスはそう呟くと、乗員に上陸する準備を促し、自らは武器の手入れを始め、大陸から目を離さない。飛来した異種がくる可能性が有るからだ。

リオンが乗る船の乗員はまだ上陸の準備を開始しない。リオンが大陸から近づくその気配を捕らえ、襲撃がくると予想したための命令であった。



「リオン様、とりあえず前方に弓隊を配置しました。少なからず、奇襲にはあわないでしょう。補助にリースの魔法部隊が待機しています」

「ありがとう、エグゼル。中に入るから何かあったら呼んでくれ」

「わかりました」