夕美は幸せそうに笑いながら、隣に立っている奴の手を握る。




「だから、もう私のことはあきらめて」




そう言って、どこか遠くに歩いていく二人。




待て、待てよ。




誰だよそいつ。




夕美、行くな・・・・・っ




「どこにも行くなよっ・・・・・」




「健ちゃん!!」




突然、大きな声で俺の名前を呼ぶ声にハッとして目が覚める。




目の前には真っ白な天井。




「健ちゃん、大丈夫?」




声のするほうにゆっくり顔を向けると、そこには心配そうに俺を見る夕美がいた。