「いや、全然。痣、薄くなってよかったな」
顔にうっすらと残る痣を見ながらそう言うと、
「あ、うん。まだちょっと残ってるけどね」
苦笑いして痣をさすりながら夕美は言った。
「それで、話っていうのは」
夕美から切り出されたその言葉に、ドキッと胸が鳴るのが分かった。
「健ちゃんが、前に私のこと好きって言ってくれたでしょ?気持ちは嬉しかったんだけど、やっぱりまだ付き合ったりとかは考えられない。ごめん」
「・・・・・そっか」
俺の予想は、見事に当たっていた。
まぁ、普通に考えてそうだよなー。
「うん、まぁ気長に待つよ」
「え?」
目を丸くしながらこちらを向く夕美。